引退ブログ(2023.11/23)
お久しぶりです。先日、男子部を引退しました、佐藤陽です。
初冬の風物詩とも言える引退ブログラッシュも、気付けば終盤戦ですね。
ChatGPTを巧みに操ってくる同期のブログに見劣りしないように、質より量で書きました。
僕の近況はと言うと、ヘルニアのせいで文字通り重たくなってしまった腰を上げ、ほぼ手付かずであった卒論に追いかけられる日々を過ごしています。デスクワークが増えたので、相変わらず腰痛とのお付き合いです。齢22にして、腰痛と共に末永く生きていく覚悟ができている僕は、果たして生物として弱いのか、強いのか。なんて考えてしまう日が、ない訳ではない訳ではないです。
てな感じで、この度は卒論を書く筆を一度休めて、引退ブログを執筆させて頂きます。
大方の予想通り、長々としたブログになりましたが、最後まで読んで頂けますと幸いです。
まず初めに、感謝の挨拶からさせてください。
これまで4年間活動を支えてくださったOB・OGの皆様、ならびに監督・コーチの先輩方。
また東大バレー部で共に時間を過ごした先輩方、後輩たち。そして何より同期のみんな。
皆様に支えられて、東大バレー部で本当に充実した4年間を過ごすことができました。
心から、感謝申し上げます。
心から感謝を申し上げた後に言うのもなんですが、僕の東大バレー部人生は、
コロナに始まり、コロナを挟んで、ヘルニアに終わる4年間でした。
と言っても、決して退屈な4年間ではなく、実際のところは、結構楽しかったです。
コロナもヘルニアも経験して、なんなら主務(七大戦の主管付)も会計も、オマケの運動会総務部も感染症対策委員会も、部活外の仕事もかなりハードでしたが、それでも楽しかったと言えてしまう自分がいます。不思議なものですね。いま僕がこう思えているのは、素敵な仲間に恵まれたからです。
僕と出会ってくれたみなさん、ありがとうございます。
さて、前置きはそこそこにして、僕のブログは三部構成でまとめさせて頂きます。
長々と書きたいことを書き連ねることになりますが、ぜひ最後までゆるりとお付き合いください。
【第一部】佐藤陽の東大バレー部の思い出ベスト3!
まずはポップに書き始めようってことで、思い出の発表でもしてみます。
第3位 「3年生時の秋リーグの一橋戦」
この試合は、同じセッターの能丸大先輩が、途中出場から大活躍した試合です。試合の1か月前くらいに「最後の悪あがきしてやるわ」とか唐突に言い出して、練習の前に自主練して、最後の秋リーグで本当に出番が来て、先輩やでって見せつけてくる感じ。こんな事言いたくないですが、流石にかっこよかったです。ポンコツキャラな節があります(しかないです)が、本当に熱心でお世話になった先輩だったので、普通に嬉しすぎて泣きました。バレーの試合見て、二段トスで泣くなんてこと、今後一切ないと思います。たくさんのエネルギーを貰いました。まあ素敵な思い出ですね。
この場を借りて、能丸さん、4年間本当にありがとうございました。
第2位 「最後の順位決定戦」
最後の1年は、ヘルニアとの闘いでした。引退試合の順位決定戦に出場することも、半ば諦めかけている時期もありました。それだけに、最後の秋リーグの順位決定戦で、1セット分コートに立つことができて、満足なプレーとはいかずともユニフォームを着てトスを上げることができて、率直にとても嬉しかったです。同期のみんなと、やっと最後に同じコートに立てたのも嬉しかったです。3セット目の終盤も、これ以上ないお膳立ての状況を貰って、セッター後輩かじけんと、我らがキャプテンにトスを上げることができて、自分にもこんな大役が回ってくるのかと、感慨深いです。最後にトスを上げるのが、2人で良かったです。結構まじめに。応援してくれたみんなも含めて、最後に最高の機会をありがとう。
第1位 「東大主管の七大戦」
4年生時の七大戦は、ヘルニアでプレーができない自分にできる事は何か、という自分が向き合ってきた問いの答え合わせの時間でした。「呼応」などというテーマを自分の中に掲げて、プレーはできなくても、自分の行動と態度と言葉で、少しでもチームのみんなの支えになって、背中を押してやろうと、そんな信念で臨みました。準備の時期は、精神的にきついタイミングも何度かありました。七大戦の準備に追われる最中でも、就活やら院試やら自分の将来も考えなければならなかったり、バレーボールができないという現実と向き合ったり、本番の直前期には同じセッターの同期が1人辞めてしまったりと、なかなかに多難な日々でした。大会期間中に激デカ台風が来る予報に愕然としたのも、今となっては良い思い出です(笑)。本番の5日間もかなり過酷で、みんなしんどい中、本当によく頑張ってくれたと思います。本当にありがとう。
七大戦を通して感じたのは、チームっていいなってことでした。
まず、七大戦の主管運営にあたって尽力してくれたみんな、本当にありがとう。僕の引退ブログなんぞ読んでくれているかわかりませんが、女子部のみなさんも、本当にありがとうございます。差し入れをしてくれたみなさんも、ありがとうございます。本当にいくらでも、「ありがとう」が出てきます。言うなれば、この世に何種類か存在する感謝の内の1種、「止め処ない感謝」です。ちなみに淀みもないです。
このチームで良かったと、心から思える七大戦だったからこそ、試合に負けてしまったのは悔しかったです。いっぱい泣きました。慰めてくれた左利きコンビ、この場を借りて、一応謝罪しておきます。ごめんなさい。
来年は勝とう。再来年もその次も。絶対に応援に行きます。
それから、決して自慢ではないですが、
七大戦の期間中も終わってからも、僕には勿体ないくらい温かい言葉をたくさん頂きました。
「恩返ししたい」
「陽さんの分もかましてきます」
「佐藤さんがいてくれて良かった」
「陽さんから元気貰ってました」
「陽さんのおかげですね」
「陽さんみたいになりたいと思った」
他にもたくさん、ありがとうございます。
今も思い出して全然泣けそうです。光栄です。
色々思い返すと、本当によき仲間に恵まれて自分は幸せだなと感じます。入部したての頃は、「東京大学バレーボール部」とチームメイトに対して、ここまでの愛着を抱くようになるとは、想像していませんでした。それに、部員のみんなからこんなに温かい言葉の数々を貰えるとも、思っていませんでした。
バレー部に入って良かったと、今は心から思います。危うく、アカペラサークルでボイパを極める道を選ぶところでした。
「このチームが好き」「このチームで良かった」と思える感覚って、心地よいものです。後輩のみんなも、せっかくバレーボール部で頑張っているのだから、最低でも3回くらいは、「このチームで良かった」と心から言える経験をして欲しいなと、思っています。これは単なる僕の願望なので、初詣に行ったら絵馬にでも書いておきます。
本当にたくさんの良い思い出をありがとうございました!!!
【第二部】佐藤陽:オリジン
みなさんは、どんな時にバレーボール好きだな!って気持ちになりますか?
この10年間のバレー人生で、自分が一番バレーボールを心から好きだと思った瞬間は、自分のトスを打って決めて貰う快感を覚えた時でした。自分でスパイクを決めるよりも何倍か嬉しかったその瞬間に、「チームスポーツ」としてのバレーボールに目覚めたと思います。
そう。バレーボールは「チームスポーツ」です。
「チーム」という視点を欠いた状態で、強いバレーボールはできないと思います。
「チーム」として洗練されていくことを目指すのが、チームスポーツだと思います。
じゃあ、この「チーム」って、何ですか?
「チームのためにできることをしましょう」
部活に入っていたら、一度は耳にしそうな言葉です。僕も使ったことがあります。
でも時折、この言葉の言う「チーム」に恐ろしさを感じる時があります。
それは、この言葉の言う「チーム」が自分の考えている「チーム」と違うかもって感じる時です。
この言葉が使われる時、そこで言う「チーム」の意味付けは、つまるところ、この言葉の使い手の解釈に依存しています。だからこそ使い手側は、それが「(使い手が頭の中に描いた)チーム」の話であることに十分な注意を払う必要があると思います。肝心なのは、それぞれがそれぞれの中に、独自の「チーム」観を持っているという事実に自覚的になることでしょう。「チームのため」を過剰に強調し、全体主義的な方向に導こうとすることは、今の時代だと「チームハラスメント」だとか言われてしまう気がします。
とは言ったものの、僕はチームの一体感とかを大切だと思っている部類の人間です。
コートの中だけでなく、ベンチにいる人も、ギャラリーにいる人も、目の前のバレーボールにのめり込んで、応援まで含めて全員で闘えるチームが好きです。ただ、その手の一体感を作る方法は、「チームのために」と連呼する以外にも、たくさんあるような気がします。例えば、仲間やチームに対する愛着があれば、その愛着を自分の行動のモチベーションに変えることができると思います。反対に、チームメイトに対して愛着が湧かない関係性のチームでは、いくら「チームのため」と叫んでも誰も動かないと思います。少なくとも、東大バレー部での最後の一年間、ヘルニアで満足にプレーができない僕の原動力は、チームと仲間に対する大きな愛着とみんなが僕にくれるこれまた大きな愛着でした。
「みんなはひとりのために、ひとりはみんなのために」
この「みんな」は、“All”ではなく、“Everyone”だと思います。
チームという全体をなす一人ひとりが、自分まで含めた“Everyone”を大切にしましょう。
そういう意味の言葉な気がします。
改めて。やはり、バレーボールは、「チームスポーツ」です。
僕がこの10年間、バレーボールを通じて追いかけてきたのは、ボールではなくて。
本当は、ボールの先に転がっている「仲間と熱くなれる瞬間」とかだったような気がします。
最後にもう一度。
みなさんは、どんな時にバレーボール好きだ!と思うでしょうか?
僕はやっぱり、自分のトスを決めて貰う瞬間です。「ありがとう!」と言って、「ナイストス!」と言われて、ハイタッチする時が一番好きです。でもこの経験は、チームがあって仲間がいてこそのものです。
チームがあって、仲間がいる。だからバレーボールは楽しい。
この世のスポーツで一番楽しいバレーボールと、
それを共に楽しめる仲間との出会いに、マジで感謝。
(拝啓、読者の皆様。イナイレ見てください。)
【第三部】後輩たちへ
新チームが始まって、まもなく1か月が過ぎようとしています。元気に頑張っていますか?
全員のびのびバレーボールを楽しめていたら、それが僕にとっては一番の吉報です。
みんなにとって、これからの1年間は、3部昇格と3部で勝つことが目標の1つになると思います。
そして、それが一筋縄ではいかない目標であることは、この1年間で痛感したと思います。
このことを踏まえて、みんなはこれから今よりも「強く」なる必要があります。
ここで僕がしたいのは、その「強さ」の意味をよく考えてほしいという話です。
例えば、バレーの技術至上主義的な価値観で、チームは「強く」なるのか。
もちろん、バレーの技術面の強さは、試合の勝敗に最も直結するだろう部分です。
でも僕のこの10年間の経験上、技術の差がひっくり返る試合は少なからず存在しています。
負けた理由を技術不足のせいにするのは簡単です。でもバレーボールの試合には、技術以外の要因も大なり小なり絡んでいると思います。特に、お互いのチームの技術レベルが拮抗している試合は、技術以外の要因が勝敗を決定付けていると思います。では、その要因とは何なのか。「強く」なろうとしていく中で、みんななりに考えてみてほしいです。
一方で、技術が向上することは、「強く」なる上での前提条件ではあると思います。
チーム内の技術の向上を、どのように実現していくか。これもまた多角的に考える必要があります。
練習を工夫すること、選手間でフィードバックし合う関係性を作ること、やれることはたくさんあります。ここで僕が大切だなと感じるのは、「好きこそものの上手なれ」という先人の教訓です。楽しいと思えている時期だから上手くなるのか、上手くなっている時期だから楽しいのか。それは僕にもよくわかりません。でも仮に前者だとするならば、みんながバレーボールを楽しいと思えるような空気をチーム内で作っていくことは、それなりの意味があると思います。ムードメーカーや精神的支柱と呼ばれる存在がその価値を認められているのは、こうした空気作りに長けているからなのでしょう。
きっと「強さ」にも色んな種類があって、ひとりひとりの「強さ」にちゃんと価値があります。
反対に、ひとりひとりが、それぞれに異なる種類の「弱さ」を抱えています。
特定の種類の「強さ」だけを絶対視し、特定の種類の「弱さ」だけを責め立てるチームには、あんまりなって欲しくありません。それぞれの「強さ」も「弱さ」も平等に理解して、平等に責めて、平等に尊重して、補い合える。ひとりひとりがこういうことを自然とできるチームが、僕は好きです。
ここに書いたのは、僕が思い描く理想のチーム像①の話です。
しかしながら、「今の時代を作れるのは今を生きている人間だけだよ」と、かの冥王レイリーも仰っていました。この言葉の通り、これからのチームを作っていくのは、他の誰でもなく、これから東大バレー部で過ごしていくみんなです。みんななりに考えて、時に柔軟に、時にこだわって、みんならしいチームを作ってください。
これから悩むことも少なからずあると思います。
頑張っても結果が出なかったり、結果が出てもそれに気付いて貰えなかったり。
チームに不満が湧いたり、部活の外に悩みが多すぎてバレーに集中し切れなかったり。
しんどい時は、自分を大切にすること。そして仲間を頼ること。
僕が見てきた限り、後輩たちは、仲間に頼るのが下手くそなやつばっかりです。ついでに、自分を大切にするのが下手くそなやつも、ちらほらいます。その辺は仲間を信じて、支え合って頑張ってください。
それから一日一日を大切にすること。
月並みな話ですが、最後の一年は特にこれを実感しました。
今日できなかった何かを、明日になって後悔することがないように。
あっという間に過ぎてしまう日々の中で、継続と挑戦を欠かすことがないように頑張ってください。
普段ふざけすぎている反動で、お堅い長文になってしまいました。すいません。
試合はぜったいに見に行きます。勝とう。それから、今後とも仲良くしてください。
みんなのバレー部ライフが、より充実した楽しいものになることを祈っています。以上。
【おわりに】
気付けば、このブログも6,000字を越えました。
最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。
書きたいことが多すぎて、なかなかコンパクトにできませんでしたが、長々と文章を書くのは結構得意なので、今後はこの長所を論文の執筆にも生かしていこうと思います。
結びの挨拶として、最後に同期への言葉を添えておきます。
「同期」とは言いつつ、入るタイミングもバラバラで、出入りも多くて、同じコートにみんなで入る機会もほとんどなかったですね。4年間も一緒に居ながら、同期全員揃っている思い出がほとんどない、というか皆無なのが、少し寂しいような、自分たちらしいなと感じるような、そんな感じです。
「仲が良い」と大きい声で言えるような代ではないですが、みんなと同期なことが、凄くしっくりきています。
みんなと同期で良かったです。ありがとう。
後輩たちの試合、一緒に見に行きましょう。ぜったいに。