引退しました(淀川)

毎年主将が最後にブログを書く習慣がある。そのせいでこんなに遅くなってしまった。新歓の投稿に混じってこんな引退ブログの紹介が入ってしまうことが申し訳ない。さっき部活の投稿を見たら新入生向けの年間スケジュールが出始めていた。だからといって新入生向けのソフトな内容で済ますつもりもない。新歓ブログに混じってるからと間違えて開いちゃった入部希望の人がいたら申し訳ない。読んでも読まなくてもいいよ。まあそんなことは気にしても仕方がなくて、わざわざ最後の機会を与えてもらったことだし、締めくくりに相応しいブログを書こう。偉く強気に出たな。拙い文章ですが、って前置きを書くとOすがさんに怒られるし。あと、可能な限り本音で書くために、ですます調にしなかったことは多めに見てほしい。

部活動を終えてみて、主将や副将などの自分とプレイヤーとしての自分を区別できたことは幸運だった。勝てなかった3年の秋リーグや4年の春リーグの後、家で考え込む時間も長かった。けれど、一度体育館に行くと、鬱屈とした気分を忘れてプレーすることができた。今思い返してみても駒場の体育館では嫌だった思い出があまりない。駒場で戦った試合で自分が出ているものはほとんどに勝っているんじゃないかという気がするし、そのおかげかもしれない。そういう感じでプレイヤーとしては大きな悩みもなく、幸せに過ごした。いわゆるバレー馬鹿ってやつで、うちの部活にも何人か同じ人種がいると思う。

正直4年間の自分について開示しても誰の興味もひかないだろう。だいたいみんなの知っているようなことしかない。

1,2年はスパイクをたくさん打った。特に1年生の時。はくやさんのかなりの負担のもと成り立っていた文字通りの「スパイカー」の時間は余計なことが何もなくて楽しかった。

3年生は怪我に苦しみつつ、守備の練習をたくさんした。2年生の途中くらいからレセプができないと試合出れなくなるかもなという焦りがあって、それがきっかけだったと覚えている。

4年の途中まではゲームを作れる選手になろうと思っていたけれど、後半は良い意味でゲームを壊せる選手を目指した。半期終えた後の自己評価にもそういうテーマを書いたような気がする。

コートの中で好きだったことはゲーム展開や後半に向けて打つべき布石を考えること。得意なプレーは1枚ブロックとサーブの駆け引き。パワプロで例えるとオールCみたいな選手。印象に残っている試合は、4年の文教戦と京大戦。1番嬉しかった瞬間は4年の最後に昇格が決まった時。文字通り目の前が真っ白になった。4年の七大戦で個人賞取ったことも嬉しかったけど、怪我人出るまではワンチャン優勝あるんじゃないかと思っていたこともあって悔しい気持ちの方が強かった。

主将として考えてたこともちゃんとあって、これいつも就活で話すんだけど、今のチームで勝つこと、未来のチームも強くすること、の両方やること。後者のためにBチームの練習、試合とか増やしたけど、これがうまくいったかは今の2.3年にかかっているからぜひ頑張ってほしい。

こんなことは部活にいた時期が被っている人であればなんとなく想像つくことだと思う。

違う。もっと刺激があるブログを書きたい。僕らの代は勝って引退した。勝てば官軍。官軍だからこそ話しても許されること。負けたら一生言わないだろうなと思っていたこと。自分が主将としてバレー部を作る時何を考えたか。家で考え込んで体育館には持ち込まなかったものを書く。読みたきゃ読んでくれ。昇格して引退したからできる自己開示。

①バレー部黄金世代?

②申し訳ない!訳ありミーティング

③昇格のための大博打

とりあえずこう銘打っておく。

①バレー部黄金世代?

近年のバレー部における黄金世代であった。というようなお言葉を納会でいただいた。この言葉をいただいて自分の目指していたチームのゴールが果たせたなと思った。そう思った理由はチームづくりの最も根幹の部分にある。

チームを始める時、まずはどんなバレーをするか考える必要がある。1つは何度も言ってきた「サイドの決定力を活かして3枚のスパイカーが常に確保されるチーム」そして黄金世代を裏付けることになるもう1つのチームコンセプトが「過去の東大に勝てるチーム」だった。

過去の東大は常に3部昇格争いをする、4部上位のチームであった。1度、運も絡んで昇格したことはあれど、常に後少し昇格まで足りないチームであった。そこで思うのだった。

東大に勝てるチーム作れば昇格できるんじゃね?

と。さあ洗い出そう。過去の東大チームの弱点は何か。

セッターがファーストタッチすると、攻撃がレフトへの2段トスだけになること。打ち屋は揃っているけれど、レセプションが安定しておらず、攻撃力を十分に活かせていないこと。

前衛2枚のローテで攻撃の幅が狭いこと。

人やコースを狙うサーブを打つと弱いサーブになること。

ラリー中に打ち込めるハイセットを供給できないこと。

とかがパッと頭に浮かんだ。そして潰しにいった。部員各位は去年の練習を思い出して欲しい。

セッターファーストタッチ時のリベロの2段トス練習

例年の倍くらいあるレセプ練習

西の練習。ファーサイドからのスパイク練習

練習試合から徹底したスクリーンコースを打つサーブ練習、前サーブ

どんなに複合練習したくても毎日やった2段トス練習

過去の東大に勝てるチームを考えた練習をしていたわけだ。

最後の秋リーグ。前述したすべての項目で東大チームがリーグ1番の精度を誇っていたと思う。リーグ1番だったし、過去数年の東大チームと比べても今あげたポイントでは上回っていたんじゃないかと思う。そして結果が出た。

なんか今までの東大の中では強いかもみたいな感覚(賛否はあると思う)を持ってくださる人がいるならば、その感覚は狙って作り出されたものだと言いたい。黄金世代の言葉を聞いて、取り組みが報われた感じがした。

②申し訳ない!訳ありミーティング

まず具体的にどのミーティングが訳ありなものだったかを開示しよう。

ズバリ、2024、春リーグ敗戦後、駒場で行った4年のミーティング。

ミーティングで意見を集めたい時、するべきことは議題の絞り込みだろう。大雑把にテーマを与えても、議論は発散していくばかりで建設的なものにはならない。嫌いな食べ物は?と聞くより、パクチー嫌いな人は何が理由なんだろうね?の方がスムーズに意見がでるし実りある議論となる。

それを踏まえて、あのミーティングで自分の持ち込んだ議題を思い出して欲しい。同期のみんなはグループに当時の議事録があって、テーマが与えられているから見たら思い出すかも。

そう。自分が持って行ったテーマは「変えることは何か、変えないことは何か」

今見ても、酷いテーマ。議論を積極的に進めたいとは到底思えない。ただもちろん考えなしにこんなことしたわけじゃない。考えがあった。議事録を見るとわかるんだけど、制度面での見直しの意見はたくさん出ているけれど、バレーのここを変えようとかいう意見は嘘のように出ていない。負けたくせに。実はあのミーティングをした時点で自分の腹は決まっていて、春リーグのバレーを続けて洗練させれば、秋リーグは必ず勝てると考えていた。だから、あの時のミーティングの議題はあんなに広いものにしていた。実際あの時のミーティングは時間がなくて制度面の話に終始していたし、バレーのコンセプトについて建設的な意見が多く出たかと言われるとそうでもなかった。議事録にクイックをどうこうしようとかそう言ったことは書かれていない。ただ既成事実として最上級生はミーティングをした。納得(?)の上、今までのバレーを続けることにした。これが自分にとっては大事だった。最上級生は体育館の中で迷っている姿を見せてはいけないと思っていたから。

勝ったから言えるってこういうこと。負けてたらこんなこと言えるわけない。見事、秋リーグはスタイルを変えなくても勝てるという大博打は成功した訳だけれども、失敗していたら洒落にならなかった。ということで申し訳ない。でもただの博打じゃなかった。言い訳はさせてほしい。次のところで。

③昇格のための大博打

昇格するために今までのバレーを貫くことにしたわけだが、これをただのギャンブルと思われるわけにはいかない。前年の納会で負けたら本郷から家までユニフォームで帰る(東大のユニフォームでは帰れないから昔のユニフォームを実家から取り寄せなくてはと考えていた)と言ってしまったし、それくらいは一回我慢すればいいにしても、負けて引退することが純粋に嫌だった。自分の気持ちも、周りの期待感も、昇格以外はすべて失敗度という状況にあったことは間違いない。その上でこの博打に打って出たわけだ。もちろん考えがあった。

③ではこの考え、まあ要するに言い訳を展開させてもらう。

春リーグでは、敗れた文京戦のように速いコンビを組んで、なおかつ精度も高いチームに対しての苦手意識がはっきりと見えた。しかし一方で、最終的にハイセットの打ち合いになるようなチームに対しては負ける気がしないという確かな手応えもあった。これを念頭に、3部から昇格してくるチーム、4部から降格してくるチーム含めて同じ山に入るであろう全てのチームの動画を見れる分だけ見た。現時点では苦手とするバレーをしていないことを確認した。そして、秋リーグまでに対戦する5チームが東大の苦手なバレーにスタイルチェンジし、尚且つ、レセプション、トスなどを相当の精度まで仕上げることがない。これに賭けた。来たる秋リーグ。東大が苦手とするチームは出てこなかった。昇格した。

ここまで力で昇格をもぎ取ったぞ!みたいに書いといて何だが、正直運がよかった。どんなに論理を組み立ててもやらなきゃしゃあないし、やれなきゃしゃあない。やってくれるだけの力を持ったプレイヤーと支えてくれるスタッフ、それにOB会の支援、この全てががたまたま揃っていた。秋のリーグ前に大きな怪我人も出なかった。ラッキーだった。ただ運がこっちに傾いた時に結果をもぎ取るためには、いつも準備しておかなきゃいけないんだなとは感じた。うちのチームはこれができているのが一番のいいところだと思う。東大バレー部はそういうチームだったし、これからもそういうチームであってほしい。というわけで、入部希望者のみんなに伝えたかったことはいいチームだよということ。こんなに熱い宣伝したら5ヶ月遅れの提出でも許されよう。そして後輩の現役部員に伝えたいことが1つ。インセンティブ。このブログに心を押されて入部決めましたっていう新入生がもしいたら人数に応じてインセンティブが欲しいなということ。これを伝えたい。嘘。ここまで含めて未来のチームを強くするっていう仕事の一部。ということにしてこの遅れを無かったことに。みんな頑張ってな。応援してます。

同期は何やかんや顔合わすでしょう。願わくはなかなか開催されない同期最強雀士決定戦だけやりたいです。2卓たつとさらに嬉しいので今はまだ打たない諸君もこれを機会に是非。