(新歓を除けば)自己紹介ブログ以来のブログを書かせて頂きます、2021シーズンで主将を務めさせて頂きました河田です。同期がこれまで素敵なブログを書いてきましたが、僕のブログで最後になります。稚拙な文章を書こうものなら同期の某須賀からお叱りを受けてしまうので、気張って書いていこうと思います。気張りすぎてすごく長文になりましたがどうぞ読んでやってください。
まずはお礼から入ろうと思います。一年間の活動を支えてくださった柳川会長、松永部長をはじめとする赤門クラブのOB、OGの方々に感謝を申し上げます。コロナの影響もありますが、最高学年になってからはより一層OB、OGの先輩方のご支援を強く意識するようになり、この恵まれた環境でひたすら自分の好きな競技と向き合うことのできた四年間は自分の人生において大きな財産となりました。今後は自分も後輩の背中を押せるようなOBになっていく所存です。
また、一年間チームを指導してくださいました柳川監督、常川コーチ、本当にありがとうございました。このチームで残せた結果はコロナの影響で多くはなかったですが、秋リーグ4位はやはり監督、コーチのご指導の賜物です。昨年、チームが始動するときに唐突にオファーさせていただいたと思いますが、引き受けてくださりありがとうございました。
次に、自分に根気強くアドバイスをくださったり、何度も機会を頂きながらも期待を裏切った自分に試合に出るチャンスをくださった先輩方、ありがとうございました。特に、主将として活動した一年間は、福島先輩、福田先輩、明本先輩は自分の目標でした。自分が壁に直面した時、「先輩方ならこの状況でどうしたか」など勝手に参考にさせて頂いていました。また、個人的ですがいつも親身になってアドバイスをくださった加納先輩、同じポジションとして面倒を見てくださった三須先輩、部活後にたくさんお話しさせていただいた一つ上の学年の先輩方を主とする下北組の先輩方、本当にありがとうございました。
そして、こんな主将に何も言わず付いてきてくれた後輩たちにも感謝しています。練習の進め方や選手起用、チーム作りなどで納得できないことも多かったかと思いますし、偉そうなことばかり言っていました(このブログでも言います)が、後輩たちは一人一人が素晴らしい才能を持っているので、ひたむきに努力をしてほしいです。みんながこの一年で大きく成長する姿を見せてもらえたので、僕はこの一年間が楽しかったです。後輩のみんなが主将としての僕を育ててくれました。ありがとう。
何より、四年間一緒に活動してくれた同期のみんな。最後の集合では言えなかったけど、部活を続けるか迷っていた自分を引き止めてくれてありがとう。今年だけでなく四年間ずっとみんなに支えられていたし、僕だけをベンチに置いてコートで躍動するみんなを見ている時間は悔しさや焦燥感を感じることが多かったですが、それ以上にいつも刺激をもらっていました。僕もこの同期で良かったと胸を張って言えます。卒業してからも、ちょくちょくは会ってスマブラでもアルチキでもしましょう。
さて、感謝の言葉も述べられたので、部活の振り返りと、後輩への言葉を遺したいです。自分のこれまでの思考の軌跡が色褪せないように文字に残そうと思っているだけの自己満なので、気軽に読んで頂けたらと思います。
いきなりネガティブな入りですが、思い返すと自分の選手としての道は険しいもので、何度ももらったチャンスを活かせず、期待に応えられない日々が四年間のほとんどでした。そのうちもらえるチャンスが減っていき、試合はおろか練習もコートの外から見ている時間が増えました。もちろん自分の努力不足、実力不足ですが、何をどうすればいいのかわからず八方塞がりの状態で、このまま部活を続ける意味はあるのかと迷った時期もありました。それでも同期が止めてくれたことや、やはり自分の中でバレーボールが好きだという気持ちに嘘はつけず、部活を続けることを選びました。
特に最後の一年は、自分の入部時の目標が達成できているのか、答え合わせの一年でした。僕は新歓コンパで「コートに立つ価値のある選手になる」という目標を掲げました。答え合わせをするまでもなく、厳密に言えば、最後までスタメンとしてコートに立つことのなかった自分は、当初の意図通りにはこの目標を達成できていません。試合の最初から最後までコートに立つ価値のある選手には最後までなれませんでした。無念。
しかし、僕は秋リーグ第3戦の桐蔭横浜戦が脳裏に焼き付いています。劣勢からの途中出場で逆転勝利する中で、試合においてチームのために何かをできたという実感を初めて感じられました。僕は主将なのに支えられてばかりで、圧倒的なプレーでチームを引っ張ることもできないし、チームの大黒柱にはなれませんでした。このプレーならチームで一番だと自信を持てるプレーも一つもなかったと思います。それでも桐蔭横浜に逆転勝ちをしたとき、コートに立つ価値のある選手に少しは近づけたと、自分で自分を褒めることができました。体育館に早く行ってボールを触っていた日々も、自主練に積極的に参加していたことも、実力不足で悩む中主将を務めたことも、報われた気がしました。苦しい時期や辛い時期がほとんどだった部活で、初めて自分を肯定することができたのです。試合に出続けた人に比べれば僕が四年間で得た結果は僅かなものでしかないかもしれませんし、自分の目標は意図する形では達成できませんでした。しかし、最初から最後までコートに立ち続けなくてもなんらかの価値を自分で生み出せたのでは、と思います。
そしてやはり、主将をできたという経験は大きな財産になりました。頼りない自覚もあったので、本当に僕に任せていいのか懐疑的だった同期もいたことでしょう。僕自身、主将になる直前に不安やプレッシャーに呑まれ、代替わり直前期には人生で一番悲観的でした。主将を引き受けるのは自分でいいのか、自分がチームのために何ができるか、自問自答しても答えが見つからないまま最後の一年は幕を開けました。そんな僕でも一年間主将としてやってこられたのは監督やコーチ、同期、後輩が僕を支えてくれたからです。僕は本当に「人」に恵まれました。頼りないリーダーを盛り上げてくれたチームのみんなには本当に感謝しています。僕がどれだけみんなの期待に応えられたかはわかりませんが、僕が主将でよかったと思ってもらえるように努力をしていたつもりです。一つ確かなのは、僕は一年間、最高のチームで主将ができて幸せ者でした。
というのが振り返りです。あとは後輩には少しだけ、自分が四年間で大切だと感じたことを遺します。引退しているのに口うるさくてすみません。参考にするもしないも皆さんの勝手です。僕は先輩方の引退ブログを読み、考え方などを参考にしていた派ので、「うるさいな」と思う人は読み飛ばしてください。
バレーを楽しんでください。その中で練習は手を抜かず、雑務も真摯に、部活動の全てに全力を尽くしてください。苦しいことの方が多くなる人もいるかと思いますが、バレーを楽しむ気持ちを失った時点で部活は苦痛でしかなくなります。部活の苦しい時間帯でも楽しさを見出してください。
考え続けてください。プレーだけでなく、プレー以外もそうです。自分は今何をすべきか、自分には何が足りないのか、なぜ上手くいかない、どうすれば上手くいく。客観的に自分を、そしてチームを見てください。考えている人間が一番成長すると持論ながら思っています。
ポジティブな声かけをしてください。流してはいけないミスに甘くなれというわけではないです。お互いのいいプレーや成長した部分は積極的に、直接褒めてください。それだけでモチベーションやメンタリティは変わってきます。足の引っ張り合いや貶し合いがなく、高め合えるチームになってください。
万全の準備を日頃からしてください。チャンスは急に訪れるもので、しかもほとんどの場合では有限です。それは個人にとってもチームにとってもです。いつどの状況でチャンスがきても自分の力を、チームの力を発揮できるように、普段の練習から万全の準備をしてください。
最後に、感謝の気持ちと謙虚さを忘れないでください、今当たり前のようにしている活動は、いろいろな人に支えられていると知り、意識してください。そして、試合に出ている人は、試合に出られていない人がどこかでサポートしてくれていることを自覚し、チームの代表としての責任感を持ってコートに立ってください。何度も言ってきましたが、応援される選手、応援されるチームになってください。
そして、試合に出られない人へ。僕は四年間で試合に出ている人は凄いと思いました。その人の弛まぬ努力の成果だし、かかる期待やプレッシャーも大きいと思います。ただ、僕は試合で出られない人の気持ちが痛いほど良くわかるので、そんな後輩を応援しています。スタメンにこだわってほしいと最後の集合で言いましたし、試合に出るために努力をしているのだと思います。ただ、その努力の過程で、結果が如何様になろうとも自分を肯定してあげてください。その努力の全てが結果に結びつかずとも、それは個人を成長させる糧になります。引退時に四年間を振り返り、自分はベストを尽くし大きく成長できたと胸を張って言える部活人生を送ってください。
余談ですが、引退試合の城西大学戦、東大の最後の得点は図らずも自分が四年間磨き続けたライト平行のストレートでした。誰の印象にも残っていないかもしれませんが、自分自身はあの感触を一生忘れることはないです。僕の四年間が詰まった得点でした。努力を続けていれば、報われる瞬間も必ず存在します。後輩の皆さんはチームの誰よりもボールに触り、努力をし、バレーを楽しんでください。そして、努力が報われる瞬間を自分で掴んでください。
と、まあ色々と書きましたが、結局のところ僕は後輩だった三年間、先輩方の背中から多くを学びました。試合に出てチーム勝たせる先輩はもちろん、試合に出られずともベンチからチームを支える先輩、大きい声でチームを鼓舞する先輩。先輩方の背中を見てこういう選手になりたいと思うことが多かったです。
同じように僕が一年間主将として、また一人の選手として見せてきた背中が、全員でなくとも誰かの心に残っていればいいな、と思っています。
そして、後輩たちの3部昇格と東大バレー部の益々の発展を願って、引退ブログとさせていただきます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
四年 #6 河田陸